もっとクリエイティブな人間になりたかった

 

 

小中学生の頃のわたしは、よく本を読んで、よく絵を描いていた。

漫画も書いてたし、小説も書いてた。中学の時なんかはオタク趣味を拗らせて、懐かしのフォレストページとかnano?とかで素材を探してきて自分のサイトをつくってた。ただの文系の、インドアで大人しいオタク気質な女学生の趣味といえばそこまでだけど、そのなかのどれか一つでも今続けていれば、もっとクリエイティブな人になれたのかな、と何一つ続けていない今思う。

 

わたしは結構自己肯定感が高いタイプだと思う。ここに行っとけば地元で生きる分には結構いいんじゃない?的な私大に通ってて、ここでバイトしとけば割とおしゃれなんじゃない?ってとこでずっとバイトしてて、その傍らで熱く打ち込むような趣味もちゃんとありますよ〜とでも提示するみたいに芝居をしてる。就職も自分の条件に合う、かつキラキラしてそうなところに決めた。来年には東京。満足。これからも自分を高めていけるし、それを楽しめるに決まってると思ってる。別にそこまでの高みは目指してない。自分が自分を好きでいられればいいのだ、と思ってる。ただそれが揺らぐ時がある。

 

よくできたフライヤーや広告を見たとき。テレビの中で熱演する俳優を見たとき。素敵なイラストを見たとき。小説を読んだとき。漫画を読んだとき。セブンルールを見たとき。素敵な舞台美術を見たとき。粋な演出に感動したとき。

 

もっとクリエイティブな人間になりたかった。

 

後悔なのか、何かを生み出す彼らへの憧れなのかはよく分からないが、ぼんやりとそう思う。過去を思い返せば、私がそっち側の人間になってた世界線もあるような気がする。

 

でも、何かを作り出すことに関わっていた時間が多かったはずなのに、私には創造力というものがひとかけらもない。何をしても何かを真似ているような気がするし、物づくりに限らず、イベントや仕事に関するアイデアも思いつかない。そういう泉が枯渇してるタイプの人間。だから向きか不向きか聞かれれば、不向きなんだろう。クリエイティブになりたいなあ、と思った時に最後に辿り着くのはいつもここだ。だからこそまた思ってしまう、もっとクリエイティブな人間になりたかった。

 

この揺らぎを最近感じる事が多くなってきたのは、自分のファーストキャリアが決まったからに他ならない。

昔の私が思い描いてた私。デザイナー。漫画家。イラストレーター。舞台女優。

どれにもなってない。今の私も、きっと来年の私も、昔の私が思い描いていた私とは全然違う。それでもいい。問題ない。結構満足してる、ただ揺らぐというか、想像せずにはいられない。そっち側の人になってたらどうだったんだろうなあって。